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2011年9月2日

隣に寝ているはずの恋人を抱きしめようと、腕を伸ばす。
だけどそれは目当てのものに触れず、隣にあった温もりも、今は感じない。

「ん・・・優亜?」

うっすらと目を開けて、恋人の名前を呟く。
二人が寝ても余るほどのベッドには優亜の姿がない。
ばっ、と身体を起こせば、寝室の窓際に座っている彼女の姿が見えて、ホッとする。

「あ、春都くん。おはよう」

「うん、おはよ。なにしてんの?」

「空、見てたの」

俺に向いていた視線が、また外に移った。優亜の隣に並んで、一緒に空を見上げる。

「あー…雨降ってるじゃん」

「ふふっ、春都くん、雨、嫌いだもんね」

「だって、うっとうしいじゃん?優亜は雨、好きだっけ?」

「好きだよ、雨の音を聴いてると、なんか安心するの」

ふわり、と笑った彼女を、思わず抱きしめた。

「はるとくん…?」

「俺と、出かけられなくなっても、雨が好き?」

「んー…。好き、だよ。春都くんと出かけられないのは残念だけど、
そのかわり、春都くんとふたりだけの世界でいられるから…」

顔を紅くしながら言う彼女を、さらにぎゅっと抱きしめた。

「…恥ずかしいやつ…」

「なっ//そんなこと、分かってるよっ//」

「だけど、可愛い」

「ちょ、も、やめてよ//恥ずかしいっ//」

優亜は真っ赤になった顔を両手で隠す。だけど、赤くなってる耳までは隠しきれてない。

「雨に感謝しなきゃなぁ…」

「へ?」

「さてと、優亜の言うふたりだけの世界を楽しもうか?」

「へ、あ、あの、春都くん…?」

「あー腹減った。優亜、ご飯作ってくれない?」

「え、あ、う、うんっ!」

抱きしめていた腕から解放すると、優亜はすぐにキッチンに向かっていった。
一人になった寝室で、もう一度空を見上げる。

「お前のこと、少しは好きになれそうだわ」

ぱらぱらと絶えず雫を落とし続ける空に向かってそう呟き、寝室を後にした。

ーおわりー

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